むち打ちの刑

2021年02月12日ブログ

転んだり何かにぶつけたりで、黒いあざができた経験がある方も多いはず。冬になると必ずといっていいほど、凍った道で滑ってひどい打撲、捻挫をしたという方が来店する。こういった、打撲による内出血には、湿布薬以外に、内服の漢方薬を服用すると治りが早い。そういう時に桂枝茯苓丸という処方がよく使われる。私はそれ以外に、より効果的な通導散を使用することも多い。

頭を打ったときや、骨折を疑われる場合、レントゲンやCTの検査を勧めるが、重篤な障害がみられない場合は、痛みや腫れを早く緩和するため、また内出血の痕を早く消す目的には漢方薬が奏功する。

前述の通導散は、打撲傷の時に生じた瘀血が血熱を持って腹部から心臓部に上攻し、不遇の末路を取るのを防ぐために用いられた処方。この打撲傷によって生じた瘀血とは、昔、刑罰の手段として行った杖罪(むち打ちの刑)での杖傷(ジョウショウ=むちで打たれた傷)時に起こる内出血を指す。通導散はその治療目的に使われた処方。

杖罪(むち打ちの刑)に合われた方も、転んで打ち身を作った方も、漢方薬を試してみてはいかがかな。

ちなみに写真は、2/9に愚妻が転んで足を・もとい腕をしこたま打ったために、通導散を服用して4日目の写真である。あれほど痛がって、骨折だ骨折だと言っていたのが今朝には、痛みが全くないと言っている。これも通導散のおかげと私は信じている。